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2026年6月号
1.レインハンドと脚やシートの関係性
レインハンドと脚やシートの関係性は、作用点と支点との関係性で、作用点と支点とは、それぞれ単独に存在しうるものではなく1対のものなのである。
作用点と支点の二つの力は一対で、どちらか片方で力が発揮されるということはなく、作用点で力を発生させると、同時に支点において同じ大きさの力が生まれるのである。
そして、互いの力の方向は全く逆になり、力の大きさは全く同量なのである。そして、作用点の力が支点へと向かうときは、支点の力は作用点と同量の力で作用点へと向かうのである。
作用点の力が支点以外のところへ向かうときは、支点の力は、作用点の力の方向と逆向きで、作用点の力の方向と平行になるのである。そして、この二つの逆向きの力は、左右どちらかの回転モーメント作るのである。
従って、ライダーが意図しようとすまいが、レイン(作用点)を引けば、何処かでこの力を支える役割としての支点が発生するのである。脚を入れれば、その力を支えるように何処かに支点が生まれてしまうものなのである。
そして、レインハンドを使うとき、また脚を入れるときに、何処に支点を位置させるかによって、作用点の効力がまるで違うものになってしまうのである。
作用点がレインハンドでも脚でもシートでも、これを作用させるとき、直接的に何をするのかを意識してしなければならないのである。
例えば、レインを真上に引き上げるのであれば、馬の頭を持ち上げると、また、レインを左に引くのであれば、馬の頭を左へ持ってくると、サークルの外側に馬の頭を引き寄せたいというように、直接的にやろうとしていることを念頭においておかなければならないのである。
このようにすれば、上手くいかなければ、何も考えずに支点を機能的にアジャストすることができるのである。
しかし、レインを引き上げているのに、後肢を踏み込ませたいとか、後肢を左にステップさせたいとか、内方姿勢を作りたいとかというように、直接的に行うことを念頭に置かずに、間接的にしようとしていることのみを念頭に置いてしまうと、支点を機能的にアジャストすることができないのである。
レインハンドを真上に向けてレインを引けば、支点であるシートは真下へ向かう力が発生するのである。
このとき、馬体を左側面から俯瞰すると、この二つの力は、作用点が真上に、支点が作用点の力と平行で逆向きになるので、真下へ向かう力となり、右回転モーメントが発生することとなるのである。
そして、このことで馬は収縮することとなるのである。
レインハンドを使うと、脚を忘れ、脚を使うとレインハンドを忘れてしまうという話を良く聞くが、作用点で力を入れるときに、直接的にやることを意識すれば、支点を意識しなくても自動的に合理的なところに、支点を置くようになるのである。
ところが、作用点で行おうとすることを、間接的にすることのみを意識すれば、ライダーの意図していないところに支点が生まれて、作用点の効果がちぐはぐなものになってしまうのである。
地上では、作用点で何かをしようとすれば、人が意図しなくても一番有効なポイントに支点が生まれるのであるが、馬上ではそうは行かないのである。
従って、直接的目的を意識することが重要で、間接的目的を意識することは問題ないが、直接的目的を明確に、意識下においておくことを最優先すべきなのである。
作用点と支点の関係性を活用することで、馬のフレームワークをすることができる。
フレームワークとは、馬の姿勢形成のことで、レインハンドを真上に向けてレインを引き上げれば、シートが支点となり真下へ向かう力が発生し、馬体を左側面から俯瞰すれば、右回転モーメントが発生し、この右回転モーメントによって、馬の収縮が形成できるのである。
また、レインハンドでレインを真上に引き上げ、両鐙を支点にすれば、鐙は真下へ向かう力が発生し、馬の頭と肩との間で右回転モーメントが発生し、馬は屈撓するのである。
馬体を曲げないようにして、左右両方のレインハンドをライダーの右肩に向かってレインを引けば、支点であるシートは、左下方向への力が自動的に生まれるのである。このとき、馬体を真上から俯瞰すれば、作用点である馬の頭頂は右上方向へ、支点であるシートは左下方向へ向かう力が発生して、水平方向としての右回転モーメントが生まれて、左内方姿勢が形成されることなのである。
上記の反対に、馬体を曲げないようにして、左右両方のレインハンドをライダーの左肩へ向かってレインを引けば、支点であるシートで、右下方向への力が自動的に生まれるのである。このとき、馬体を真上から俯瞰すれば、作用点である馬の頭頂は左上方へ、支点であるシートは、右下方へ向かう力が発生して、水平方向として左回転モーメントが生まれ、右内方姿勢が形成されるのである。
2.馬への近づき方やリーディングの仕方
馬は、人の10倍警戒心を持つ動物といわれている。
また、馬の目は、広範囲を視覚に持つといわれており、後方は、馬自身の首が邪魔している部分を除き見えており、その変わりといっては何だが、正面は二重に見えたりして、あまり得意ではないということである。
俗っぽい話だが、両目が顔の角張った両端に位置している馬は、良く後ろが見えるので精神が安定しているといわれ、顔の内側に目がついている馬は、良く後ろが見えないので、警戒心が強いというのである。
また、馬同士が放牧場で、フレンドリーな場合は、肩と肩を擦り合わせる行為を見せたりするのである。
これらを踏まえて、人が馬に近づくとき、馬の斜め前方より、自分の姿を馬に目視させるようにして、近づくのがよいとされているのである。
そして、馬の肢をケアしたりブラッシングしたりするときは、馬の肩から前肢へ、また肩から背峰を伝わるように顔へ、さらにまた肩から背中を通ってお尻へと向かい、そして後肢へと徐々に手を下ろしていくのが良いとされているのである。
しかし、これらのことは原則なので、慣れていない馬に対して、また自分が初めて触れる馬の場合は、このようにして、扱い慣れた馬の場合は、いきなり何処を触っても、馬が受け入れるように訓練しておくことが、不慮の事故を防ぐこととなるのである。
また、裏掘りなど蹄のケアをする場合は、足首をロックするように固定して持つようにするのである。
このとき、世の中で良くいわれていることは、馬が肢を下ろそうとしたとき、絶対下ろしてはならないということである。
これは間違いである。
馬が肢を下ろそうとしても、抗わずに下ろしてあげるのがよいのである。そして、再び肢を上げるようにするのである。これを繰り返すことで、馬は、肢を下ろすことに何時でも下ろすことができるので、警戒心を解くようになり、肢を上げたまま維持するようになるのである。
肢を上げるのを促すとき、球節の直ぐ上のところを指で軽く絞るようにしましょう。すると馬は、肢を上げます。このとき、自分の方から屈んで行かないようにしましょう。
自分が屈んでしまうと、視界が狭くなったり、馬の後肢がハエを追ったりしたとき蹴られてしまう畏れがあるからである。
また、リーディングは、基本原則として、馬が人の歩調に合わせて歩くように心掛けることが重要で、人が歩く速度に馬が合わせるのは当然で、人が歩けば馬が歩き、止まれば止まり、後退すれば後退するようにする必要があり、こうすることで、人も馬も安全なのである。
リードロープを手に持つ長さは、ホルターから人がリードを持つ手までを、人の手から肘まで位の長さで持つようするのがよいのである。
この長さであれば、馬が何かに驚いたとき、加速する前に対応でき、またタイトになることもない長さなのである。
そして、馬が人を追い越さないようにリーディングするのである。
追い越してしまったときは、必ずリードロープで馬を後退させ、決して、馬が人を追い越さないでリーディングできる馬にすることに努めることが重要である。
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