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ウエスタンBライン
第五部 VOL.24   冒 険


 9月30日

今日のRanch Workは放牧されている牛の頭数の確認作業を、Decky カウボーイ頭と一緒に行くことになった。
 頭数の確認作業は小一時間程で終わる。

今度は、仔牛の耳にタグを付けに行くと云う。
ここのランチは自然交配なので何処にいるのか分からないが、日頃見回りしているから見当が付いているそうだ。
 彼はRopeを片手に丘に向かった。ただ黙って後を付いていくのも息苦しいので「毎日一人で見回りしているのか。」と聞いたつもりなのが、彼は「俺が一人で探したい。」と受け取ったのか。

「お前はこの上に登り、探しながら左に行け」

 指示通り左に進みながら下の方に、目を向けると牛の群れを見つけた。

此処で映画なら「イヤッ」と掛け声を、駆けながら走り出すのだが、現実は違う。


 これはDale Harvey Ranchで体験したことなのだ。

 150頭の牛をコンボイ(大型トレーラー)から下ろし、放牧場に誘導する時でした。
 下準備としてDaleに、「Rowdyあそこのゲートを開けたら、右側のゲートを閉めろ。」と指示を受けて、指示通り準備完了して頭上で腕を回して合図を送ったら(共通の合図?)、丘に上がって来いとの合図、丘を駆け上がるときだけは、「俺カウボーイをやってる。」と思ったら鳥肌が立った。

「Rowdyは、此処を動くな。」と言ってDaleは、15m先へ牛が来る方向に並ぶ、そしてトレーラーに合図は、送られた。
「鳴き声、地響き、ちょっぴり怖い。」アッという間に雪崩込んで来た牛に囲まれて俺は身動きが取れなかった。

 何をして良いのか分からないので、Daleの顔と目を見ていたら、手の平を下にして上下に動かして

「そのままジーッとしていろ。」

やがて泣き声も段々落ち着いてきたので、又、Daleに目を向けると

「静かにプッシュ」

 手の平を前方に押し出している仕草。牛は動き出したが先頭集団が早くなり始めたので、Daleは、素早く指示。

「止まれ、動くな」

  何度か繰り返して完全に落ち着くまで待った。
先ほど開けておいた放牧場に追い込む事らしい。ボス牛が決まったのかピラミット型になりながら柵添いに動き、ボス牛がゲートへ、その後を5,6頭が続いた。Daleは、

「今だ!!Go」

 で決まり、この体験が無かったなら身勝手な行動で(映画のカウボーイ気取り)仕事の邪魔をしていたかも知れません。
そんな事をしたら、お膳立てしてくれたお三方に申し訳がない。


 基に戻ります。

 群れの方を見ながら歩いていると、草木が動いている。「あの辺だな。」近づくと、既に一頭はRopeを使わなくても捕まえていたらしく今度はRopeを使うという。「いた!ゆっくり近づいたが失敗。」二投目は見事成功、さすがCowboy格好がいい。
午後は買い物に。



 10月1日

 朝夕は、放牧場の馬の餌の手伝いを、日中は一人でRopeを投げて過ごしたが、午後9時からいよいよTeam Ropingのレッスンをしてくれるという。でもいきなり牛(Cattl)を使用としたので、その前にこれまでの復習をと思いDally(サドルホーンに巻く)からお願いしたら、初めに教わったJackと少し違いがあるように感じた、と云うのはRopeを、スライドしながらサドルホーンに巻きつける事だ。
 ChrliとBrandonが協力、交互にロープを持ち先に私がロープを引きサドルホーンに巻きつける間に、彼は引っ張るDallyの練習を15分位。
 俺の為にCowboy達が夜遅くまで付き合ってくれている。 レッスン1とでも名付けておこう。Rein(手綱)とRopeの持ち方からSwing(振り回す)を10分位するとすぐ実戦である。
 ところが、牛が速くて無理だからもう少し遅いのと取り替えて欲しいとお願いした所、俺と一緒に教わりに来ている人も同じ事を言っている。速い牛でも掛かることは出来るのだが、Dallyをするのを躊躇してしまいRopeを離してしまうのだ、Chrli達が言うのには、

「急ぐ必要はないんだ。牛と併走しながら、ゆっくりDallyすればいい。」

 でも牛を代えてくれた。そしたら余裕が出来たのか、先生達に合格点が貰えたのである。
「明日は、シューター(囲い)からの練習だ。」と云われ夢のような気分、OK(オクラホマ州)から4年何かが起こりそうな。

 

10月2日

 昨日は、アリーナに牛を放して追いながら捕まえる練習をしたが、自分としてはもっと長くやっていたかったのだが、あちらの都合もあるのではと・・・でも夕べの言葉通りになった。
 まずBoxと云う馬のスタート位置の囲いに入る。
自分も馬も準備が整ったらシューターのゲートを開けてくれる人(シューターマン)に合図を送り、牛が飛び出したら捕まえに走るのである。
 夕べと同じ、掛けたらDallyしてストップの手順でタイミングを覚える、その繰り返しを行うのである。ここにも協力者がいるのだJamesの子供達、13歳の男の子と妹、
Jamesは日本に何回もジャッジとして来ているし、彼がOKに住んでいるときにも会っている。奥さんまでも牛を囲いに追い込んでいた。



 10月3日

 今日は凄いと云うのか、可哀相と云おうか生きているものの運命かな。午後から買い物に行く予定で昼前、場内をブラブラと歩いていた時の出来事です。
このRanchに着いた時から気にはしていたのだが、背骨、あばら骨が浮き出た馬がいたのです。歩行もやっと、俺には分からないが怪我、皮膚病?ドクターらしい人とPeggyが話をしていたが、するとPeggyが突然泣き出したのだ。「どうした。変だなぁ。」と思っていたら、ドクターが太い注射器を持っているので、栄養剤か何かの治療かなと、ドクターは首に注射器を差し込んだ、その瞬間前足から“ドドッ”と崩れ落ちたのでした。安楽死であった。
 昼近くになったら、Brandonが「Rowdyこれからにmealに行くよ。」と言って両手を広げたジェスチャーを?
手を口に運ぶ仕草をしたので昼飯(lunch)に誘ってくれたので食堂で食べるのかな?と安易な気持ちでついて行った。
 ところがとんでもない立派な建物のレストランだ。中にはビリヤードの台がその奥には厨房がありコックさんが料理を造って居るではないか。顔ぶれも凄い、最初にあった品の好いおじさん、事務の女性、Cowboy達の家族、Jamesの奥さん、子供たち勢揃いだ。
好きな物を自由に取るバイキング方式。

後で聞いた話だが此処ではlunchは特別で、普通はmealと言うそうだ。勉強なったかな。

 
 今日のレッスンは、シューターから出た牛をDallyした後、馬を前に出して牛を引っ張って走る事。
Ropeを掛けると同時に、馬をコントロールしなくてはならない。そんな簡単ではない事は分かっていてが、思っていたよりも難しい。
多分明日もこの復習だと思う。 



10月4日

 予定が変わり今日はレッスンなし。Dummyで自主練習。
Chrlieの両親が昼間訪ねて来て、夕食は外でDinnerだと言う。

「Rowdy、シャワーを浴びて用意して待って」と。

街のレストランでのDinner、ビールにキャットフィッシュ(鯰)のから揚げとポテトフライかな、それなりに雰囲気はよかったね。
LunchとかDinnerは、特別なのかな?



10月5日

 朝から子供達が来ていた。
土曜日なので午前中からレッスンなのかなと思いきや馬房まで行くと何時もと違う。
 俺が、用意又はレッスンする時に乗る馬を小僧達が手入れしているではないか、何も聞かされてはいない。だから遠巻きに見ていたら、4頭を馬運車に乗せている。「さぁこれから出発だ。」ばかりに手招きしているので、車に乗り込んだ。
 ついた場所は。競技場。
そこには100台は、あるだろう馬運車が、もうすでに馬の手入れしている者、馬上でRopeの感触を試している者、Dummyに向けて投げている者、Team Roper達がワンサといる。

「もしかして俺の出番?」

 そんな事がある訳ないでしょう。
インドアアリーナ(屋内馬場)ではあるが、OKのマリエッタの馬場の方が見易い。此処は柱が多いせいかな?それと観客席が設けていないからかも。
 上は60代から下は小学生位、Cowgirlも混じっている。公式なのかローカルの大会なのかは分からないが、雰囲気はいいね。
俺は、Team Roping志向だからか思えるのかも知れないが、OKはReiningが多いらしいが、さすがTX(テキサス州)は、ローパーが多く感じる。
 Jamesに聞いた事がある。OKは、Reinerが8割位でRoperは2割、TXはRoper8割位でReinerが2割位だそうだ。
結局スナッフルビットランチは、惨敗で帰途につく。
 
 俺が帰国する頃にサンアントニオで、カントリー歌手のジョージ・ストレートの冠大会の、Team Roping競技大会が開催されChrliも出場するのだと云う。
Cole(Jamesの息子)の上達振りには驚いたが、どんなローカル大会でも大会と名の付く試合に、出る奴はそれなりに出来る奴だと彼らは言うのだ。
我々が帰る頃でも試合は続いておりまだ女性が二人残っていたね。



 10月6日

 今日は、此処に来て2回目のSunday Morningだ。
再来週は帰国の準備になってしまい早いものだが、いまだ何一つ会得をしていない。
Dummyにも満足に掛かっていない。しかも不満であるこの2日間はレッスンはとまっている。



 10月7日

 Jamesが帰ってきた。
再会出来たことを共に喜んだと思う。そんな表情だったから「疲れているから帰って寝る。明日会おう。」と言った。
ビールを買いにコンビニエンストアに行った帰り道、雷雨となる。前方に真っ黒な雲の間を、稲妻が走る。その左前を、渦巻きを横にした雲が、流れているのをBrandonは指をさし「あれは、ハリケーンの名残なのだ。」
日本では見られない雲の形だ。これからが又凄い。
一旦雨が上ったと思われたが、また雨が滝のように降り出しCowboy Houseの周辺は川となりはじめ、「おい、ボートはあるか?」とジョークが飛び出す位だったが、実際それが冗談ではなくなってきた。
 敷地内に川がながれ込んできたと、ChrlieとBrandonの二人は豪雨の中走り出して行った。俺もと思ったが言葉が通じなくて、でも咄嗟の場合彼らに却って危険を及ぼしてしまうのではないかと、ここはプロに任しておいてと思い踏みとどまって彼らが帰るのを待つことにした。
 暫くして、彼等が帰ってきた。川が氾濫して反対側には渡れないらしい。明日Jamesは、来られるだろうかと心配だ。
因みにJamesは通いのCowboyサラリーマンだ。
 


10月8日

 今日は、一日中雨で仕方がないとしても4日レッスンはない事になる。夕方雨小降りになったので事務所の方へ歩いていたら、ラウンドペンで何やらやっている。覗いて見ると、Jamesと彼らが馬を調教している。
どうもバックが出来ない馬みたいで、若い衆が乗っていたが、Jamesが変わり乗らないで調教、若くはない馬だと思うが戦う事12〜3分、遂に一歩下がり、さらに10分位。OKが出たらRopeへのならしだ。
 若い衆がいきなりRopeを回したもんだから、馬はビックリ。だから若い衆は、注意されていた。
首、体、尻に触れながらバッシ、バッシとRopeの音を聞かせた後、Swingも見せ少し慣れてきたみたいだ成る程ね。


明日は遠出らしい。





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