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第四部VOL.22(No.8) TEAM
ROPING 5
ベラベラと怒鳴り声に近い声、当然まわりに注意されそうな人は見当たらない。当たり前だよね、通ってはいけない道路に今入ろうとしている俺たちだ、しかも警備をしているその前で。
「TOKIさん なにか言ってるよ、まずいんじゃない」
「聞えない振りして早く退かして」
"おいおい聞えない振りしろって言ったって俺一旦振り向いているんだよ、今更知らんぷりしたって聞えてる事は分かっているのにそれでも知らんぷりしろってか敵は本物の拳銃を持っている撃たれるのは俺だよ、丸腰の俺を背中から撃つ事はしないと思うが威嚇射撃ぐらいはされるのでは"と考えながら目をつぶり
「せーの」
柵を取り除き婦警さんの顔を見ることもなく
「それッ」
素早く車に飛び乗ったのだ。無事国境を突破ホテルの前に到着。
映画に出てくるホテルそのものロビーの中央に階段がある。ストックヤードホテルという歴史のあるホテルだそうである。なるほど周囲の壁に飾られている写真の中には開拓時代末期の物もあった。
チェックイン済ませて三階の部屋に行くのにTOKIが気を使ってくれてエレベターに乗らないで階段で上がる、それは西部の男達が本当に歩いた階段を俺に歩かせようとの気遣いであった。そして三階の廊下に出たら
「突き当りの部屋は"俺たちに明日はない"BONNIE and CLYDEが泊まった部屋で、予約を申し込んだが人気のある部屋なので取れなかった」
その部屋の手前を右に行き突き当りの部屋が俺の部屋、枕もとの上にはバッファローの頭骸骨が飾られている。
荷物を置いて部屋を出てやはり今度もエレベターは使わずに階段を、三段ばかり残したところで俺はTOKIを止めた。ホルスターの撃鉄の紐をはずしてロビーの端から端まで見渡して敵がいないのを確かめ降りて行ったのであった。
町に出て昼飯でも食べようと食堂と言うべきかバーと言うべきか日本で言うならばライブハウスみたいな場所に入りビールを頼んだら
「あと2分待ってくれ12時になったらOKだ」
お昼前にはアルコールを販売してはいけないんだそうだ、お腹が一杯になったところで滞在中唯一観光の一日が始まった。
まず連れて行ってくれたのは開拓時代の牛の街(COWTOWN)であった。崩れかけた柵に生い茂る雑草、街の中心から少し離れた場所、想像を駆り立てるものがあった。
それに追い討ちをかけたのが蒸気機関車だ。遊園地などで走っている子供向けでなく本物を走らせているのには驚きだ。日本にもSLは走るが本物が遊園地を走る事はないしD51より格好が良い。カーク ダグラス、アンソニー クインの"ガンヒルの決闘"を思い出す。
次に向かったのがスタジアム。入り口の隣にはテキサスロングホーンを捕まえている黒人Cowboyの銅像が、スタジアムの中にはショップやロデオアリーナもあるそうだが生憎ロデオは今夜開催しないそうで残念。後程やって来るとの事で入場せずスタジアムの横道をぬけ裏通りにあたるのかなァ暫く行くとウエスタンショップがある日本でも聞いた事のある店だ。TOKIはそこの常連で必ず立ち寄るのだそうだ、俺も二度と来られないのだからと思うと奮発して自分のだけ買い込んだ。
店を出て町の中心部に戻るに連れCowboy Cowgirlがどんどん集結しているのではないか、もう中には踊り出している者もいる。TOKIが途中靴磨きを頼んだ。黒人の中年男性だがリズム感素晴らしく近くの舞台でバンドが音を出しているのにあわせて踊りながら靴を磨くんだ思わず拍手を送ったよ。
こうして街を一回りしたら腹が減ってきたので夕食してから再びスタジアムに戻り今度は木戸銭を払って中に入る。ゲームコーナーでは早撃ちに挑戦、これがリアルなのだ。映像には酒場、銀行、ホテルが映し出されてギャングやアウトローが俺を目掛けて撃ってくる、これを向かい撃つ。酒場だとウイスキィーのビンなどが弾き飛んだり勿論命中すると相手は倒れる。馬で逃げるアウトローに命中すれば馬から落ちるし、ホテルの階段からも転げ落ちてくる。俺はすっかりワイアット アープになっていた。
こうして最後のアメリカの晩を満喫しスタジアムの外に出たら満天の星空が迎えてくれていた。部屋に戻ってからも興奮覚めやらずだが同じくしてストリートの人達も祭り興奮覚めないのだろうそのまま朝が。
夢の10日間帰国ダラス空港へ向かう。TOKIはあと一ヶ月残る予定、空港で放された子羊は藁をもすがる気持ちで、でもすがる藁もない仕方ないからドアのノブにすがったら触れてはいけないドア、館内一斉に警報ベルが鳴り渡り
「私は何もしていません、知りません」
てな顔して現場から離れた椅子に座りました。
「ビックリしたなもぅ」
機上の人となりましたがアメリカの大地を上から見下ろして何時になったら海が見えるのだろう、砂漠に走る一本の道、来る時には夜があったが帰りには夜が来ない。来る時には相棒はいたから機内食も選べたが帰りは一人、出された物が美味かろうが不味かろうが差し出されたものを食べる。ただビールだけは日本製に限るそして13時間トイレに行く事はなかった。成田上空だと知った時帰国直後にやるべき事はトイレに行く事だと決めたのだ。
つづく
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