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ウエスタンBライン

   第四部 VOL.18 (No.4)  TEAM ROPING

車が飛んだ。映画に出てくるカ−チェスそのもの、そしてドスーンと着地に成功。
10点満点
「うぁー怖ぇ〜」 「わっ ハハハハ」
と豪快に笑い飛ばすJACKであった。
砂塵を巻き上げ直ぐUターン、又徐々にスピードが上がっていくので俺はJACKの腕を掴んで
「Oh No」 「わっ ハハハハ」
遊んでいる、遊んでくれている未だ何処か張り詰めている俺の心を和らげる為に。

 無事到着、車から降り、Dummyの場所に一直線、再びRopeを投げ始めた。
TOKIが迎えに来たが、朝の気持ちと裏腹に
「あれ、もうそんな時間、まだ陽が高いのに」 時計と太陽を照らし合わせたら午後6時を回ってる。
「明日又お願い致します。Tomorrow morning」 ペコリと頭を下げて車に乗り込んだ。
途中、TOKIが単身勉強に来ていた時心を休めたという湖に案内してくれた。

 青く静かな誰もいない湖、シーンとしている
「なんて静かなんだろう」 と思ったが時間が時間だから静かなのは当たり前。それでは記念写真をパチリ。

 これはTOKIから後で聞かされた話だが、JACKの人柄がうかがえる話である。
現地に来て三日目の朝だったかなァ、JACKが馬の用意をしているではないか?
「おッ今日は何を教えてくれるのだろう」
胸をときめかせたが
「Rowdy お前はこの馬に乗れ」
昨日とは違った馬だ
「Ropeは」 「いらない」 「?」
何をするのかなァと思ったらJACKは準備した馬に跨り歩き出したのである。
「外に行くんだな」

 一旦道路に出て数百メートル位進んで林の中に入る、入り口には看板が掲げてあり
"NO HUNTING"
早速野性の七面鳥のお出迎え。林を抜けると平坦な草原に出たが、数日前の豪雨で土砂が押し流され、自然が作った風景、
"ミニ グランドキャニオン"(見たこと無いが)

 今度は仔牛の死骸、皮だけ。
「コヨーテにやられたのか?」 「そうだ」
「Rowdy 此処は昔インデアンの通る道だった」 と説明してくれた。

  再び林の中に入っていくと水面まで10メートルはあるかな、V字型の谷、角度にして馬の背からだと40度位に見える
「えェッ 此処を降りるの」 とためらっている内にJACKはサッサッと向こう岸と云うか断崖に立っている。
「Rowdy 早く来い」 手招きしている。
  ぐずぐずしていて置いてきぼりにされたら日本に帰れない、意を決して手綱を十分緩め、ホーンに掴まり、鐙から足を外して用意万端。
「うぁ〜凄ぇ」 ズズーと滑る。JACKは断崖の上で笑っている。
  水面まであと2,3メートル、耐えられなかった馬は一気に水の中にザブ〜ン膝上までずぶ濡れ、谷間が狭いため今度は直ぐに駆け上がる。 「イャッ イャッ」 掛け声ながら登り切って振り返って見たらやはり凄かった。

 そして前進するが何処をどうやって進んでいるのか分からない内に戻っていたらしく、あの谷間の近くだ。
JACKが
「もう一度行って見たいか」 「結構です」 「わっ ハハハハ」
  本当の会話はこうだ。
「Remember」 と言ったので俺は"もう一度行くか"と聞いているのかと思い"NO"と言いながら手を左右に振ったのだ。
谷を下る際俺の顔が余りにも真顔だったので、それをJACKは察していたから
「覚えているが結構です」 そんな風に受け取ってくれたのだろう、言葉の辻褄あったみたいだ。
そして一日が終わった。

  何故JACKの人柄なのか、TOKIが迎に来た時俺達がいなかったので、奥さんに
「Rowdyは何処へ行ったのか」 と尋ねたら
「Rowdyの頭の中は、Ropeの事で一杯、今日はリラックスさせる為に外に連れ出したの」
帰りの車の中で聞かされた時、熱いものが込み上げてきたのでした。                       つづく

 


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