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ウエスタンBライン

   第四部 VOL.17 (No.3)      初体験

かった」

よかった、通じたのだ、厩舎に向かって歩き出した。少し高台になっていて天井は高く、馬房と馬房の仕切りは日本の倍はある、これなら馬ものんびり寝そべることが出来るだろう。

 入り口の右側の一室がタックルームになっていて、Saddle Rope Bit Spur等が天井から壁までびっしり吊るされてあるのにはびっくりこいた。馬具の修理もここでやるのか、作業場も兼ねている。左側にはアルミの牛乳缶で作られたDummyが置いてあり

「俺みたいな新米が来ると、このDummyで教えるんだ」

勝手に思いこんだ。先生は、いや先生と呼ばずにJackと呼ばせて頂こう。Jackは天井に吊るしてあるRopeを1本取り外して私に差し出した。

「これを使ってごらん」

そして自らDummyを厩舎通路にセットし

「さぁ日本のCowboyよ、お前の腕前を見せてくれ」

と言わんばかりに椅子に腰を下ろした。

 の体に緊張が走る。ここである程度認められなければ滞在中の9日間をどう過ごせばいいのか、Ropeを持つ手に力が入る。本物が見ている前で一投を投じた、Jackが声を上げた。

「Oh!good」

goodの言葉に勢いがついた、投げ続ける。額から汗が滴り落ちる。なおも投げ続けていると、Jackは椅子から立ちあがり自ら投げ始めたのだ。目の前で始めて見るプロが投げるRopeの切れがさすがに違う、ビシッビシッと決める。

「Rowdy、君の番だ」

投げ始めると、手の位置、動き、目標を見ろとアドバイス、そして形良く掛かると

「good」

とお褒めの言葉が返ってくる。汗がビッショリなのに鳥肌が立っている、俺の心は感動で一杯、アメリカに居る事さえ忘れている、それぐらい夢中なのだ。

 Jackが冷えた水を差し出して

「さぁ飲むんだ、少し休もう」

椅子に腰を下ろしたとたんに

「あ!!俺アメリカに居るんだ」

我に返り会話が止まった(英語も出来ないのが何が会話だっテガッ)汗も引けた頃Jackが一頭の馬を指差して

「あの馬に鞍をつけろ」

俺はJackが乗って見せてくれるのかなと思いつつ馬装し終えると、

「お前が乗るんだ」

「えッ」

まさか馬まで乗せてくれるなんて、又鳥肌が立った。言われるがままに馬に跨り2、3歩背を向けて歩き出したら

「Rowdy、こっちェ来い」

と手招きしているから後について厩舎を出た。屋敷が全部馬場みたいだから何処でも練習ができる。

「これからダァリー(RopeをSaddle Hornに巻き付ける事)の練習する。君がRopeを引いたら私が直ぐ引き返すからSaddle Hornにすばやく巻き付けるんだ、OK?」

「えッ、この人は何処まで教えてくれるのだろう」

又々鳥肌が立った、これだと風邪を引いてしまうのでは・・・。

 デオなどで見る限りでは簡単そうにやれそうだが難しい。最初はHornの位置が分からなく下を向いてしまう、巻き付けるのに気を取られると馬に乗っている事を忘れてしまうのだ。

「Rowdy、下を向いてはいけない、私を見るんだ」

と注意をされる。上手くいくとGoodの声。そうこうしている時奥さんが(美人の元バレルクィーン)がビデオを撮ってくれているのではないか。俺が出来なくて困った顔をすると大声で夫婦が笑う、これがとても微笑ましい、午前中いっぱい指導してくれた。

「Rowdy、昼飯を食べに行こう」

と手で口に運ぶ仕草してくれる、赤いピックアップトラックに乗って。でもそれからが大変だった、会話が止まる、Ropeを練習している時は幾らか通じるものがあったがそれを離れたら無言、外を見ている以外にはなにもないのだ。

「食堂に着いたらどうしようTokiと一緒なら指を差せばいいが、Jackが頼んだのを真似て変な物でも出てきたら」

そんな心配をしていたら横道にそれた、ルーミス氏の家に向かっている。もしかして一緒に行くのかな、やはりそうだった、丁度二人が車に乗る所、これはいい具合だとばかりに我々は相手の車に乗り移ったのだ。いままで心配で腹一杯だったのが急にお腹が空いてきた。

 なのだがビルディングなどない、食堂はやや薄く暗い四人同じテーブルに着く、俺はビールが飲みたいのだがアルコール類はいっさい置いていないそうだ。仕方ないからコーラで我慢の子であった。例の如くTokiの注文と同じ、その中に玉葱があったで皿の隅に置いていたらルーミス氏が

「なんだ食べないのか俺が食べる」

と言って平らげてくれました。三人が雑談している中俺だけがポツンと浮いている。帰途に着く、暫くルーミス氏のランチによりルーミス氏が馬に乗るのを見物した後戻る、が何故かJackは自分の家の前を通過してしまう。
 俺の顔を見て笑っている、道は一直線であるが前方は上り坂スピードがどんどん上がる、前が見えないのにどうするんだろうと俺は車の取っ手にしっかり掴まった次の瞬間・・・・・                      つづく

 


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